初稿置き場
#夢見る少年と未羽化の蝶
#夢見る少年と未羽化の蝶_二章
26
王都まで戻ってきたファルたちは、馬車から降りて固まった身体を伸ばす。
ひとまずアカデミーまで戻るのかと思っていたところ、唐突にレンがこんなことを言った。
「俺、早速研究所に行ってみようかと思うんだけど、ファルはどうする?」
「え、今から?」
「善は急げって言うだろ?」
事前の連絡無しに行っていいものなのか? と内心首を捻りつつも、まあレンだからなぁと納得してしまい、ファルは頷いた。
「分かった。じゃあ僕は先にアカデミーに戻る。就職課に聞きたいこともあるし」
「ん? 就職課? ……もしかして、卒業後どうするか決まったのか?」
研究所の方へ歩き出そうとしていたレンが、驚いてこちらを振り返る。
そう。決まったのだ。だがファルは、ニヤリと笑ってさっさと歩き出した。
「確定したら教えてやるよ」
「あ、ちょっ……、ズルいぞ! 気になるだろ!」
後で教えろよー! と遠くに聞こえる声に、振り返らないまま手を振った。
格好をつけてはみたものの、実のところ今からその「希望」を叶えられるのかが分からなかった、というのが大きい。
だがきっと大丈夫だろうと何の根拠もなく思う。
そんなファルが選んだ進路は――。
2026/10/13 19:19:56
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#夢見る少年と未羽化の蝶_二章 26
王都まで戻ってきたファルたちは、馬車から降りて固まった身体を伸ばす。
ひとまずアカデミーまで戻るのかと思っていたところ、唐突にレンがこんなことを言った。
「俺、早速研究所に行ってみようかと思うんだけど、ファルはどうする?」
「え、今から?」
「善は急げって言うだろ?」
事前の連絡無しに行っていいものなのか? と内心首を捻りつつも、まあレンだからなぁと納得してしまい、ファルは頷いた。
「分かった。じゃあ僕は先にアカデミーに戻る。就職課に聞きたいこともあるし」
「ん? 就職課? ……もしかして、卒業後どうするか決まったのか?」
研究所の方へ歩き出そうとしていたレンが、驚いてこちらを振り返る。
そう。決まったのだ。だがファルは、ニヤリと笑ってさっさと歩き出した。
「確定したら教えてやるよ」
「あ、ちょっ……、ズルいぞ! 気になるだろ!」
後で教えろよー! と遠くに聞こえる声に、振り返らないまま手を振った。
格好をつけてはみたものの、実のところ今からその「希望」を叶えられるのかが分からなかった、というのが大きい。
だがきっと大丈夫だろうと何の根拠もなく思う。
そんなファルが選んだ進路は――。