初稿置き場
#愛する貴方と「番」を解消する方法(仮題)
#愛する貴方と「番」を解消する方法(仮題)_字コンテ
10
ルベルトの言った「旅行」というのは、なんのことはない。ただの視察で、ユリスにも彼の側近として付いて来てほしい、というだけの話――だと、聞かされていた。
それが――
「俺と貴方だけっで、どういうことですか……!?」
蓋を開けてみると、その「視察」というのは三日ではなく三週間。その上、行き帰りに帯同する護衛を除けば、殆ど二人きりで過ごす予定らしい。
「いやぁ、お前にバレないかとひやひやした甲斐があったな!」
悪びれもせず笑うルベルトに、怒りが湧く。
「それに、三週間なんて聞いてません! そんな長期だなんて……」
三日なら、と思ってい彼に付き添うことを了承したが、三週間となると、確実に発情期と重なってしまう。だが、そのことをはっきり言うことが躊躇われて口籠ると、ルベルトがぐっと近付いて、耳元で囁く。
「発情期に入ることを気にしてるんだろう?」
「……っ」
「だから、三週間にしたんだ。それに、『三日」とでも言っておかないと、お前は了承してくれなかったろ?」
「あっ、貴方という人は……! お――私は、貴方の番にはならない、と言って……」
「だが今は、私の番だ。違うか?」
「っ――」
ユリスは上がりそうになる体温を無視しながら、どうにか今からでも引き返せやしないかと、頭を巡らせる。
「ですがっ、公式には違うでしょう! 男二人……アルファの男二人きりで三週間も過ごすなんて、どう思われるか!」
「ああ、そこは抜かりないぞ。『突然、発情誘発剤なんてものをかけられて傷心の王太子殿下は、暫く女もオメガもいないところで過ごしたい。ゆえに、最も心を許している側近のみ連れて、しばらく王都をお離れになった』――という噂が広まってる頃だから」
「っ!? ~~こ、このっ、腹黒――っ!!」
「褒めてくれてありがとう」
「褒めてない!!」
いっそう近付いてくるルベルトの胸を押し返そうとするが、抵抗も空しく、ユリスは彼に手を取られて、優しく指にキスをされた。
「誰が何と言おうと、お前は私の大事な番だよ」
「っ――」
嬉しい。嬉しくて堪らないその言葉が、自身をそれほど傷付ける言葉になるなんて、ユリスははじめて思い知ったのだった。
2026/02/01 14:31:28
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ルベルトの言った「旅行」というのは、なんのことはない。ただの視察で、ユリスにも彼の側近として付いて来てほしい、というだけの話――だと、聞かされていた。
それが――
「俺と貴方だけっで、どういうことですか……!?」
蓋を開けてみると、その「視察」というのは三日ではなく三週間。その上、行き帰りに帯同する護衛を除けば、殆ど二人きりで過ごす予定らしい。
「いやぁ、お前にバレないかとひやひやした甲斐があったな!」
悪びれもせず笑うルベルトに、怒りが湧く。
「それに、三週間なんて聞いてません! そんな長期だなんて……」
三日なら、と思ってい彼に付き添うことを了承したが、三週間となると、確実に発情期と重なってしまう。だが、そのことをはっきり言うことが躊躇われて口籠ると、ルベルトがぐっと近付いて、耳元で囁く。
「発情期に入ることを気にしてるんだろう?」
「……っ」
「だから、三週間にしたんだ。それに、『三日」とでも言っておかないと、お前は了承してくれなかったろ?」
「あっ、貴方という人は……! お――私は、貴方の番にはならない、と言って……」
「だが今は、私の番だ。違うか?」
「っ――」
ユリスは上がりそうになる体温を無視しながら、どうにか今からでも引き返せやしないかと、頭を巡らせる。
「ですがっ、公式には違うでしょう! 男二人……アルファの男二人きりで三週間も過ごすなんて、どう思われるか!」
「ああ、そこは抜かりないぞ。『突然、発情誘発剤なんてものをかけられて傷心の王太子殿下は、暫く女もオメガもいないところで過ごしたい。ゆえに、最も心を許している側近のみ連れて、しばらく王都をお離れになった』――という噂が広まってる頃だから」
「っ!? ~~こ、このっ、腹黒――っ!!」
「褒めてくれてありがとう」
「褒めてない!!」
いっそう近付いてくるルベルトの胸を押し返そうとするが、抵抗も空しく、ユリスは彼に手を取られて、優しく指にキスをされた。
「誰が何と言おうと、お前は私の大事な番だよ」
「っ――」
嬉しい。嬉しくて堪らないその言葉が、自身をそれほど傷付ける言葉になるなんて、ユリスははじめて思い知ったのだった。