初稿置き場
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改稿版更新中
玉座の憧憬 本編:小説・男女恋愛
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ツンデレ王子様の結婚事情:漫画(字コンテ)・BL
玉座の憧憬 アレイスト×セレンIF:小説・男女恋愛・バッドエンド・R18・本編読了後推奨
玉座の憧憬 ロウェル×アレイストIF:小説・BL・R18・本編読了後推奨
玉座の憧憬 アレイスト×セレンIF:小説・男女恋愛・バッドエンド・R18・本編読了後推奨
玉座の憧憬 ロウェル×アレイストIF:小説・BL・R18・本編読了後推奨
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改稿版完結
#愛する貴方と「番」を解消する方法(仮題)_字コンテ 11
そんなこんなで馬車旅が続き、二人は滞在先の離宮に辿り着いた。
ユリスにとっては初めて訪れる場所だが、ルベルトには幼少期に何度か訪れたことのある馴染みの場所らしい。
その離宮は、使用人の数も最低限で、更に離れのような宮まである。そちらは常駐の使用人すらいないらしく、二人の関係を徹底的に隠すつもりであることには、安堵した。
荷物を運び入れ、作業をしていた使用人たちも出て行くと、本当に二人きりになってしまった。
本館と繋がるのは一本の廊下のみで、そこの出入り口まで食事が運ばれるそうだが、それ以上に人が入ってくることは基本的にないという。
かつて、身分の低い愛妾を持った王が、彼女と二人で過ごすために作られた決まりらしい。
少々出来過ぎでは、と思うほどユリスにとって都合がよかった。
夕食を終え、部屋でちびちびと茶を飲んでいると、後ろに気配を感じた。しかし、振り返るより早く、ぎゅっと肩に腕が回される。
「でんっ……」
「ルベルト」
名前で呼べ、と暗に言われ、ユリスは仕方なく言い直す。
「……ルベルト様」
「ん」
嬉しそうに頷いた彼は、ユリスの顎に手を添えて、後ろを向かせると、唇を寄せてくる。
「あっ……」
「拒まないでくれ」
懇願するような声に、きゅうっと胎が疼いた気がした。
そして、そのまま抗い切れずにキスをする。
ちゅっ、ちゅと啄むように口付けられ、肌を舌がなぞった。
「ぁ……」
吐息の合間に、舌が侵入する。
だめだ、と頭の片隅では思ったが、それ以上の抵抗ができない。
甘くて、脳が痺れる。身体の奥が、この男を求めていた。
じわりと後ろが濡れて、身体の力が抜ける。
心臓がどくりと大きな音を立てて、肌がざわめいた。
これは――
「っ、ルベルト、様……、おれ……」
「ん?」
ユリスは、彼の服をぎゅっと掴んで、ぽつりと言った。
「発情期、きちゃった……」
抑制剤を飲まなければ。
ああ、でも……、「俺のアルファ」が目の前にいるのに。
うるんだ目で見上げると、ルベルトが微かに唸った。
「ユリス」
自分の名前が、信じられないほど甘く聞こえた。
いつもはもっと緩やかに熱が高まってゆくのに。これは、抑制剤を飲んでいないせいなのか、それとも番が目の前にいるからなのか。
「抱いて、いいか」
「…………っ」
ユリスは小さく頷いた。
その誘うような声に、欲を漲らせる目に、抗う術など持っているはずもなかったのだ。
「おいで」
ルベルトの声に誘われるまま、ふらつく足で立ち上がれば、すぐにルベルトに抱え上げられた。
そう身長も変わらないはずなのに、軽々と抱き上げられて羞恥に顔が赤らむ。
「あっ、ま……まって、くださ――」
「もう待たない」
首筋にキスをされて、息を飲む。
触れた場所が熱い。服越しに感じる体温ももどかしい。
早く素肌でこの男を感じたい。
でも、もう一度肌を重ねてしまえば、自分は――。
葛藤する内心と裏腹に、ユリスはぎゅっとルベルトの首に腕を回す。
ぴったりと抱きつけば、ルベルトが嬉しそうに笑みを漏らした。
「ルベルトさま……」
「まずは、風呂に入ろうか」
欲の孕んだ囁きに、ユリスは何も答えることができなかった。