初稿置き場
作品一覧
改稿版更新中
玉座の憧憬 本編:小説・男女恋愛
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ツンデレ王子様の結婚事情:漫画(字コンテ)・BL
玉座の憧憬 アレイスト×セレンIF:小説・男女恋愛・バッドエンド・R18・本編読了後推奨
玉座の憧憬 ロウェル×アレイストIF:小説・BL・R18・本編読了後推奨
玉座の憧憬 アレイスト×セレンIF:小説・男女恋愛・バッドエンド・R18・本編読了後推奨
玉座の憧憬 ロウェル×アレイストIF:小説・BL・R18・本編読了後推奨
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改稿版完結
#玉座の憧憬_本編 25
城の裏手にある通用門を目指し、ロウェルは走っていた。
手を握りしめたままのセレンは、奇妙なほど黙りこくったまま付いてきている。だが手が握り返されるわけでもなく、ロウェルが手を離せばそのまま立ち止まってしまいそうなほどに、その目は虚空を見つめていた。
追手はどの程度出されるだろうか。
自分はこんな抜け殻のような彼女を、無事に救い出せるのだろうか。
「っ……」
アレイストの叫びが、未だに消えてくれない。
気を抜けば今すぐ引き返して、「俺はお前のために生きなければならないのに」と、懺悔しに戻りたい衝動に駆られた。
だが、今は後悔などしている場合ではない。
「セレン」
裏庭の門を潜りながら呼びかけると、彼女は緩慢な動作で顔を上げた。
「ひとまず、王都を脱出する。付いてきてくれるか?」
「…………好きにしたら」
やる気も、覇気もない返答に、喉を締められたような心地がした。
俺が、もっと早く決断できていれば――。
「――……なら、好きにする。行こう」
セレンの反応は薄い。ロウェルに促されるまま、通用門付近に隠していた馬に乗って、その後ろにロウェルが騎乗しても何も言わなかった。
馬を出発させる時も、彼女は無反応だった。
それが、これほど胸を突くなんて、ロウェルは想像もしていなかった。