初稿置き場
#玉座の憧憬
#玉座の憧憬_ロウェル×アレイストIF
17
行為の疲れが出たのか、眠ってしまったアレイストの頭を、ロウェルはやわらかく撫でる。
あどけなく眠る姿を見て、「愛しいな」という言葉が自然と湧いてくる。
一体いつからそんな風に思うようになったのだろう、と考えて、ロウェルは肩を竦めた。
彼と初めて会った時、ゆりかごの中で眠る姿を見た時には、既にこの感情を抱いていた気がする。
だからこそ、そんな彼を傷付ける結果を生んでしまったのが自分だということが、あまりに受け入れ難く、苦しかったのだ。
自分の全てを擲ってでも、彼に尽くしたいと、そうしなければならないと思うほどに。
ロウェルはアレイストの髪に指を通す。
その時、ふっとアレイストの目が開いた。
「あ、悪い。起こしたか?」
「ん……、いや……」
どけようとした手を、寝惚け眼のアレイストが掴んで、頬を寄せる。
「ど、どうした……?」
すりすりといつまでも離そうとしないアレイストに、照れと戸惑いとを感じながら訊ねると、彼はんー……、と小さく呻いてから、ぽつりと呟いた。
「僕さ、ロウェルの手、すきだな……。たぶん、前からずっと」
ふんわりと微笑みながら、アレイストはロウェルの指にキスをする。
「あとさ、寝てる時……たまに頭にキスしてただろ。あれも……」
半分眠りながら呟かれた言葉に、ロウェルは顔をぼっと赤らめる。
「え、あ、ま、まさかあの時も、起きてたのか!? ――って、もう寝てる!?」
再びすぴすぴと眠りはじめたアレイストに腕を取られたまま、ロウェルは一人羞恥で呻く。詳しい話を聞きたい、が、叩き起こすわけにもいかず、途方に暮れた。
「あぁ……、もう……。起きたら覚えてろよ……」
大きな溜息をついたロウェルは、穏やかに眠るアレイストに苦笑して、自身もその隣へ身を横たえる。
それから、もう遠慮することなく、その身体を抱き寄せた。
「次の転居先はどこがいいかな……。あたたかい所の方がいいよな。アレイストにも希望を聞いて――……」
腕の中にすっぽり収まるアレイストに、ロウェルは胸の奥にずっと凝っていた罪悪感という冷たい氷が解けていくのを感じた。
氷が融ければ春が来る。
二人ならば、これから訪れる困難もきっと乗り越えていけるだろう。
ロウェルは、やっと手に入れた大事な大事な
宝物
(
アレイスト
)
を、ぎゅうっと抱きしめて、穏やかな眠りに身を委ねた。
完
2026/02/01 14:23:16
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行為の疲れが出たのか、眠ってしまったアレイストの頭を、ロウェルはやわらかく撫でる。
あどけなく眠る姿を見て、「愛しいな」という言葉が自然と湧いてくる。
一体いつからそんな風に思うようになったのだろう、と考えて、ロウェルは肩を竦めた。
彼と初めて会った時、ゆりかごの中で眠る姿を見た時には、既にこの感情を抱いていた気がする。
だからこそ、そんな彼を傷付ける結果を生んでしまったのが自分だということが、あまりに受け入れ難く、苦しかったのだ。
自分の全てを擲ってでも、彼に尽くしたいと、そうしなければならないと思うほどに。
ロウェルはアレイストの髪に指を通す。
その時、ふっとアレイストの目が開いた。
「あ、悪い。起こしたか?」
「ん……、いや……」
どけようとした手を、寝惚け眼のアレイストが掴んで、頬を寄せる。
「ど、どうした……?」
すりすりといつまでも離そうとしないアレイストに、照れと戸惑いとを感じながら訊ねると、彼はんー……、と小さく呻いてから、ぽつりと呟いた。
「僕さ、ロウェルの手、すきだな……。たぶん、前からずっと」
ふんわりと微笑みながら、アレイストはロウェルの指にキスをする。
「あとさ、寝てる時……たまに頭にキスしてただろ。あれも……」
半分眠りながら呟かれた言葉に、ロウェルは顔をぼっと赤らめる。
「え、あ、ま、まさかあの時も、起きてたのか!? ――って、もう寝てる!?」
再びすぴすぴと眠りはじめたアレイストに腕を取られたまま、ロウェルは一人羞恥で呻く。詳しい話を聞きたい、が、叩き起こすわけにもいかず、途方に暮れた。
「あぁ……、もう……。起きたら覚えてろよ……」
大きな溜息をついたロウェルは、穏やかに眠るアレイストに苦笑して、自身もその隣へ身を横たえる。
それから、もう遠慮することなく、その身体を抱き寄せた。
「次の転居先はどこがいいかな……。あたたかい所の方がいいよな。アレイストにも希望を聞いて――……」
腕の中にすっぽり収まるアレイストに、ロウェルは胸の奥にずっと凝っていた罪悪感という冷たい氷が解けていくのを感じた。
氷が融ければ春が来る。
二人ならば、これから訪れる困難もきっと乗り越えていけるだろう。
ロウェルは、やっと手に入れた大事な大事な宝物を、ぎゅうっと抱きしめて、穏やかな眠りに身を委ねた。
完