初稿置き場
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#夢見る少年と未羽化の蝶_二章 18
記念墓地の慰霊訪問が終了し、一行は一度研究所へと戻った。
だが、後は今後の――提出物などの諸注意を聞いた後は、体験入所が終了。解散となる流れだ。
レンは帰る準備をしながらも、小さく溜息をついた。
みな既にちらほらと帰途へつき、現在部屋にはレンとファル、それからエルジュしかいなかった。
「レン、そろそろ施錠しますので」
「あ、すみません!」
エルジュの言葉に慌てて鞄を背負い、ファルと共に扉を潜る。
最後に退室したエルジュが鍵をかける音を聞きながら、彼に一言感謝を伝えようと足を止める。
「――レン」
だが振り向いたエルジュが口を開く方が早く、レンはぽけと口を開いたまま目を瞬かせた。
「所長からの伝言です。『この数日で君の熱意はよく伝わった。もし君がここを受けるのならば、我々は歓迎する準備を整えている』とのことです」
それは事実上、内定が約束されたも同然の言葉だった。
きっと少し前までのレンならば、飛び上がって喜んだはずだ。
だが、何故か心はもやもやとして晴れないまま、小さく頷いた。
「……はい」
よろしくお願いします、と言えばいいはずなのに。それで、長い間抱いてきた夢が叶うのに。
だが、どうしてもそれ以上の言葉が出て来ない。
そんなレンにエルジュは、少し目を細めた。
「それと……、ここからは私個人から、ですが――」
レンは俯いていた顔を上げる。目が合って、エルジュが続ける。
「研究者を続けていれば、今回のようなことは発生します。もし抱えきれない……というならば無理をする必要はない、と考えます」
「…………はい」
「ですが、レン。私は貴方が良き研究者になれるとも感じていますよ」
エルジュが淡く微笑んだのに、レンは瞠目する。
レンが何も答えられずにいると、エルジュが続ける。
「さあ、後は自分で答えを出すことです。――また会いましょう、レン」
レンは困惑を覚えたまま、去っていくエルジュの背中を見送るしかできなかった。