幕間

 ――お兄様はアカデミーの通常課程を主席で終えられたのですって。将来はきっと、国の中枢でご活躍になるのでしょうね。


 はい、僕も兄を尊敬しています。


 ――魔法省の長官に最年少で就任した才女、って君の姉君らしいね。どんなお人なんだい?


 姉は素晴らしい才能の持ち主ですよ。


 ――ご両親も魔導具開発の界隈では有名な方々だが、ご子息ご息女はそれ以上だ。さぞ鼻が高いだろう。


 僕にとっても自慢の兄姉です。



 家族の誰もが才能溢れる人々だった。

 僕もきっと――

 そんな風に明るく未来を見つめていられたのは、一体いつ頃までの話だっただろう。

「…………」



 その少年は、前方を楽しげに歩く三人の少年たちを暗い目で見つめていた。

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