我が妻ネリーへ
いつも屋敷の詳しい近況を綴ってくれて、ありがとう。貴女がいつも楽しそうにしているのを感じ、安心しています。
前回はアネッサとの一件を書いてくれましたね。木から落ちたとの事でしたが、よくよく気を付けるように貴女からきちんとお伝えください。自分の帽子が飛ばされた故の事だからと、遠慮して注意を伝えていないのではないでしょうか。
貴女の慎み深さは美徳だとは思いますが、厳しさも時には必要と考えます。
説教はこのくらいに致しましょう。
こちらの近況は、特にお伝えするほどのこともなく、膠着状態が続いています。
ただ、ノールヴィリニアのような寒冷地の山とは全く違う景色が広がっており、こんな時勢ですが感銘を受けます。何度かお話ししていますから、聞き飽きてしまわれたかもしれないですね。
いつも貴女は楽しい話題を話してくれているが、もし悲しい事があったなら、それも書いてほしい。私は、遠い地にいるために、何もしてやることは出来ないが、それでも話をしてほしいと思っています。
だがもし、何か手助けを求めているのならば、レイブスを頼るように。彼ならば、私の代わりに、貴女の助けとなってくれるでしょう。
ロアン
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