序章始まりの話
「―――姫様を返せ!!」
ピンク色の可愛らしい服を着た少女が、大声で、眼前にそびえる黒い影に、怒鳴りつけた。
暗い、暗い世界で、五人の少女たちは、自らの正義を信じて、震える足を叱咤して立っていた。大きな影は少女たちを薙ぎ払おうと、大きな巨体を揺らした。五人はすんでのところで、それを避けて、姫が捕らえられている上方を睨んだ。
「みんな! ―――いくよ!」
ピンクの服の少女がそう叫ぶと、残りの四人は大きく頷いて、影に向かって構える。
そして、五人は声をそろえて叫んだ。
「「「「「―――――
まばゆい光が、五人の視界を包んだ。
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