「Kindle」で買う
貴方と最期の雨の日に
あらすじ

 その日は、酷い雨が降っていた――。


 混迷を極める王国。水面下で進む政変の動き。

 それらの渦中に巻き込まれることとなった青年フィルトは、十年以上の長きに渡り国唯一の王子に仕え――、そして、彼を愛してしまう。

 本当は、決して想ってはならない人だった。

 フィルトには、心を寄せる資格すらなかったのだから……。


 一つの時代が終わる最後の日。

 雨霧に紛れて消えた、ひとときの物語。

「Kindle」で買う
タイトル貴方と最期の雨の日に
タイトル(かな)あなたとさいごのあめのひに
著者名雪野深桜
著者名(かな)ゆきの みお
刊行日2026年03月30日
種別SS
ジャンルファンタジーBL
「Kindle」で買う
本文サンプル

 窓越しに見える雷鳴。

 鍵のかかった室内は異様なほど静かで、押し殺せずに漏れた喘ぎと、肌のぶつかる音だけが響いていた。

 血に汚れた革の防具とズボンが、床に落ちているのが視界に映る。

 あの鮮血が誰のものか、自身をかき抱くこの男は分かっているのだろうか。

 ――きっと、全て承知している。

 この国はあまりに長く、暴虐の時代を辿り過ぎた。

 そんな中で産み落とされてしまったこの人は、先人と同じ道を進めない程には聡明で、だが独力で国家の建て直しを敢行できるほど非凡ではなかった。

 一世代前に誕生していれば――、賢君として名を残したに違いない。

 けれど。

 この時代、この場所に生まれてくれなければ、出逢うことはできなかった。

 それが嬉しくて、同時に悲しくて……涙が零れ、流れ落ちてゆく。

 そんな、やるせない涙の味がする口付けをして目を閉じた。

 どうして、こんなにもこの人を愛してしまったんだろう。

 後悔にも似た気持ちは、意識を過去へと遡らせてゆく――。

続きは本編にて...
「Kindle」で買う
Copyright (C) 2026 Mio Yukino All Rights Reserved.
「Kindle」で買う